世界中には未知のワイン、知っていても日本未輸入のワインがまだまだ沢山
あります。店を開業して18年ですが、只今マイ・ブームのハンガリーから初の
取り扱いとなるPezsgobor/ペシュゲボル(スパークリングワイン)が入荷して
来ました。
ハンガリーワイン自体、今までほとんど販売した事がありませんでしたので、
入荷して来るハンガリー産ワインはどれも初の取り扱いとも言えます。今後
の計画は店内にルーマニアワイン・コーナーと同等の扱いでハンガリーの
コーナーを設け、ワインを販売して行きます。その第一弾がペシュゲボルに
なります。
それではそのペシュゲボルの誕生地へ向かってみましょう。ハンガリーの都
Budapest/ブダペシュトの南西約100㎞に位置するハンガリー人にとって最高
のリゾート地であるBalaton-to/バラトン湖の辺の街Balatonboglar/バラトン-
ボグラールが目的地です。
そこへ向かう途中、走行方向の左に目を向けるとハンガリー平原の穀倉地
でもあり、国内用のブドウ栽培ワイン生産地でもあるAlfold/アルフェールド
があり、果てしなく続く平原の先に地平線が見えます。
更に進んだ先がバラトン湖。東欧最大の淡水湖ですが、海なし国のハンガリー
では海としての役割を果たしていて、シーズンには湖水客で、通年では釣り人
やレイク・スポーツを楽しむ人でにぎわっています。
縮小図ですが、湖の周りは山や丘が散在、高低差のある複雑な地形をして
いて、その地形を有効活用して、湖の周辺に複数のワイン産地があります。
この地はブドウ栽培期には晴天の日が多く、日中の気温が高く、日没と共に
気温が大きく下がりますので、ブドウの完熟度が高く、出来上がるワインは
果実味の凝縮した中に酸味とミネラルの主張がハッキリとある白ワインに、
赤ワインなら豊かなアルコールのヴォリュームに支えられた果実味のリッチ
さとなめらかに広がるタンニン(渋味)の芳醇なハーモニーある酒質になり
ます。
上の画像の黄色っぽい矢印のあたりがバラトンボグラールです。山と言う
よりも丘と言った方が相応しい地形が街に隣接し、その丘の上に立つ2つ
の礼拝所に因んでChapel Hill/チャペル・ヒルと名付けられたワインを造る
ワイナリーがここバラトンボグラールにあります。
こちらがその礼拝堂の内の一つ。18世紀に建てられたオリジナルは土台のみ残り、
現在の建物は大戦の後に再建され、Kek/ケーク(青色)とVores/ヴェレシュ(赤色)
の外壁の2つが丘の上に佇んでいます。
そんな誕生秘話を持つチャペル・ヒルのペシュゲボルがこちらです。黄色い果実や
黄色い花を思わせる華やかな香りを備え、優しい泡立ちでフレッシュな味わいを
楽しめます。既にお話しました様に果実味の豊かさがとても心地良く、この地なら
ではのワインの典型です。
Chapel Hill Chardonnay Brut/チャペル・ヒル、シャルドネ・ブリュット
相性の良い料理:素材の持つ優しい甘味を生かした軽やかな味わいの料理。
チーズなら・・・モッツァレッラ。
飲み頃温度:8~10度。
<軽く、まろやかな、やや辛口>
1,700円(消費税別)
果実味の華やかさは、トロピカルな風味にも良くマッチします。パインの乗った
ピッツァ、パインの入った酢豚などと一緒にお楽しみ頂くと良いでしょう。