今月早々に入荷し、あっと言う間に完売したルーマニアの白ワイン。同じ月に
同じ商品を再び仕入れる事はほとんどないのですが、この白ワインだけは別
です。普通に考えれば高価なのですが、これ程までに素晴らしい品質で同じ
品種から造られた白ワインと比較し、相対的に判断してみると、そのコスト・
パフォーマンスには計り知れないものがあります。
その白ワインはChardonnay/シャルドネと言う品種から造られ、木樽で熟成を
し、香味に芳醇さを備えています。通常、シャルドネから造られ、木樽の要素
をまとった白ワインはブドウ由来のシャープなリンゴ酸がコクのある乳酸へと
変化し、すこしばかりネットリとした口当たりをし、重厚な酒質をしています。
その様な酒質になった白ワインは、クリームやオリーヴオイルで粘性とコクを
添えた料理との相性に優れ、白ワインでありながら、ガッチリ冷やさず、15~
18度程度の温度でその芳醇さを楽しみます。
一方、木樽の要素を備えつつも、酸味が乳酸ではなく、リンゴ酸のままの場合
には、キリリと引き締まったミネラル感ある口当たりがありますので、その感覚
を生かす為、11~14度程に冷やし味わうと香りも味わいも余す事なく楽しめ
ます。
こちらの酒質の場合、オリーヴオイルで香味を整えた料理には接点があるの
ですが、クリームで仕上げた料理には少々歩み寄りが足りず、折角のワイン
の良さを感じられません。
料理とこのタイプの白ワインとのマリアージュの可能性は色々ありますが、
これからの季節、家庭でも気軽に楽しめる組み合わせはカキフライとになる
でしょう。ベストな味わい方は、海のミルクと言われるカキのクリーミーな味を
活かし、そこにレモンの酸味と天然塩のミネラルをアクセントに添えてあげ、
ワインへと寄り添わせる。これで今日お勧めの白ワインとパーフェクトになり
ます。
カキフライにレモン果汁と天然塩、そこに乳酸ではなくリンゴ酸で木樽の要素を
感じる白ワイン。これでワインと料理のマリアージュの完成です。今シーズンは
カキが家庭の食卓で大活躍しそうです。
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Anima 2012 Dealu Mare Chardonnay
アニマ2012デアル・マーレ、シャルドネ
相性の良い料理:わずかな脂肪分を含む素材、バターやオリーヴオイルを使用
した料理。
チーズなら・・・ゴーダ。
飲み頃温度:11~14度。
<コクのある辛口> 2,700円(消費税別)
シャルドネの本場、フランスのブルゴーニュでこのワインと同等のレヴェルの
ワインを見つけるのなら、1級畑や特級畑のブドウで造られた10,000~
20,000円のワインになります。