2014年5月6日火曜日

侮ってはいけないキアンティ・クラッシコ

イタリア赤ワインで最も有名なものの一つにChianti/キアンティがあります。
キアンティとはこの赤ワインが誕生する原産地名で、その地名が原産地呼称
として、ワイン名になっています。実はヨーロッパのワインは法により、原産地
が保護されている事が多く、その地で誕生するワインで決められた規則通り
に造られたものは、ワイン名=原産地名となります。
あまりにも有名で生産量がとても多く、流通も広範囲に渡っているキアンティ
ですが、ライトなボディーのワインもあったり、渋味のシッカリ備わった芳醇な
ワインもあったりと様々で、消費者に混乱が起きている事を否定できません。
イタリアのワイン法は産地、品種、収穫量、造り方などを規定しているのです
が、酒質の細かい決まり事がない為、様々なタイプが混在してしまうワインが
見受けられます。
そうは言っても、イタリアワイン法で最高ランクのカテゴリーに位置付けられて
いるキアンティですから、品質は保証済です。そのキアンティの始まりとなった
中心地はClassico/クラッシコ地区として別扱いとなっています。キアンティの
元々の原産地の訳ですから、気候条件、土壌条件などはより優れている筈
ですし、実際、同じ造り手のキアンティとキアンティ・クラッシコを比較すると
クラッシコの方がより充実した酒質になっています。


キアンティの産地の風景は上の画像の様な感じです、小高い丘の頂上には
城塞の様なワイナリーがあり、その斜面にブドウ畑、オリーブ畑、果樹園が
混在し、必ずと言っても良い位、その風景に糸杉がアクセントを添えます。
トスカーナの休日(Under the Tuscan Sun)と言う映画がキアンティを舞台に
作成されていますので、一度、ご覧になってみて下さい。産地のイメージが
湧くと、味わうワインがひと味もふた味も違う様に感じます。



1872年の事ですが、Bettino Ricasoli/ベッティーノ・リカゾリと言う男爵が
キアンティ・ワインをこんな風に造ると色々な面で良いだろうと、レシピを
考案しました。そのレシピはキアンティが原産地呼称ワインとなった際に
ほぼ同じ形で継承され、今に引き継がれています。先見の目があった人
だったのです。
男爵の子孫は現在もキアンティ・クラッシコ地区に居を構え、ワイン造り
をしています。彼らの造るキアンティ・クラッシコの一つが上の画像です
が、このワインが非常に優れた品質で、これを味わったなら、キアンティ
を見直さずにはいられません。
香りの高貴さ、味わいの豊かさ、バランス感。素晴らしいの一言です。
現地では骨付き牛肉の炭火焼に合わせ楽しむのが定番ですが、酒質
のしなやかさはカツオやマグロなどの魚料理にも十分に合わせ味わえ、
家庭の食卓でも重宝する赤ワインです。
侮るなかれ、リカゾリ男爵の子孫が造るキアンティ・クラッシコ。是非、
味わってみて下さい。
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Brolio 2011 Chianti Classico
ブローリオ 2011 キアンティ・クラッシコ
相性の良い料理:脂肪分の多い、コッテリとしたコクのある料理。
チーズなら・・・ブリー。青カビタイプ。
飲み頃温度:19度。
<まろやかなフルボディー>
2,800円(消費税別)