赤ワインは常温で飲むもの。そんな事を信じてはいけません。冷やしても
その味わいを楽しめる赤ワインだってあるのです。赤ワインのあの色を
形成しているのは、アントシアンと言う色素。そして、あの渋味を形成して
いるのはタンニン。それら全てがポリフェノール。ポリフェノールは温度が
上がるとその主張が豊かになります。そこから、赤ワインは常温でと言う
事になったのでしょうが、赤ワインにはポリフェノールの多いフルボディー
のものばかりではありません。ポリフェノールの少ないライトボディーの
ものもあります。
ポリフェノール含有量が少ないのですから、その主張を芳醇にする必要
はなく、よって冷やし目にして味わう方が、ライトな酒質の持ち味を生かし
楽しめるのです。ワインは白やロゼや赤に関係なく、ボディー(酒質)の
豊かなタイプは高めの供出温度で、ボディーのスリムなタイプは低めの
供出温度の方が個性を明確にし、香味を最大限に感じ、楽しめます。
近年、ドイツの赤ワインを造るブドウの中でその勢力を拡大し続けているのが
Dornfelder/ドルンフェルダー。これは1956年にアウグスト・ヘロルド氏に
よって交配し、開発された品種です。
ドルンフェルダーで造られた赤ワインの特徴は色合いの深さ、豊かな果実味
そして、木樽を使って渋味を強調したリッチなタイプもあれば、ジューシー
な口当たりをしたチャーミングでライトタッチなタイプもあります。
この度、入荷のドルンフェルダーの赤ワインは後者のタイプです。外観は紫色
の鮮やかな色調、色合いは濃く、ブルーベリーを思わせる果実香が香水の様
に華やかに立ち上ります。
味わいはフルーティーでジューシー、そして赤ワインに備わっている事が多い
大地を思わせる香りや動物の赤身肉をイメージ出来る様な香りも感じます。
複雑さはあるものの、渋味が少なく軽やかな酒質ですので、高い供出温度で
脂肪分の多い、コッテリとしたコクのある料理と楽しむのではなく、低めの供出
温度で素材の旨味を生かした家庭的な料理と一緒に楽しむのが良いのでは
ないでしょうか。
*Jean Buscher 2011 Rheinhessen Dornfelder
ジャン・ブッシャー2011ラインヘッセン、ドルンフェルダー
相性の良い料理:酸味の効いた軽い味付けの料理。
チーズなら・・・白カビタイプ。シェーヴル(山羊乳)タイプ。
飲み頃温度:11~14度。
<まろやかなライトボディー> 2,400円(消費税別)
ワインに甘味を感じますので、みりんで甘味と照りを付け、根菜類の自然
の旨味を引き立てた料理がこの赤ワインにはピッタリです。上の画像は
里芋の牛肉そぼろあんかけ、下の画像は牛肉とごぼうの炊き合わせ
です。