2014年2月22日土曜日

果実味vsミネラル

イタリアを代表する辛口のスパークリングワイン(=スプマンテ/Spumante)に
Franciacorta/フランチャコルタTrento/トレントがあります。フランチャコルタ
はロンバルディア州産、トレントはトレンティーノ州(トレント自治県)産で、どちらも
伝統的製法(フランスのシャンパーニュと同じく、瓶内で炭酸ガスを捕捉する発酵
を行い発泡性ワインにする)によって造られる本格的スパークリングワインです。
どちらもほぼ同じブドウを原料に、伝統的製法で造られますが、同じ様な条件を
前提に比較をしますと、フランチャコルタは豊かな果実味があり、優しい柔和
な口当たりをしているのに対し、トレントは柑橘果実の爽やかな果実味を感じ、
シャープな酸味とミネラルの豊かな広がりのある引き締まった口当たりをして
いると言われています。
そこで、両者を実際に比較をしてみました。原料ブドウはChardonnay/シャルドネ、
収穫年は2004年、ベースワインの1部はオーク樽で発酵熟成させてあり、その
ベースワインもブレンドし、瓶内で炭酸ガスを捕捉する2次発酵をさせ、ワイン法
で規定された熟成期間を経て、商品になっています。
*フランチャコルタ/香り:黄色い果実や花の豊かさ。
           味わい:果実のピュアさ。酸味の上品な広がり。生の果実では
                なく、コンポートの華やかさある後口。
*トレント/香り:ミント、柑橘果実。
      味わい:シャープでスリム。酸味とミネラルの存在感。清々しく、冷涼な
           印象。一点の曇りもないクリーンな後口。
この様に、条件を揃えて比べると、言われている通りの結果となりました。これが
テロワール(原産地の気象、地形、土壌などの自然条件の違い)による多様性
なのです。



フランチャコルタは標高200~400メートルの丘陵の南斜面に位置し、更に北に
湖があり、日中に暖められた水の影響も受けます。日照が十分で水温の変化に
よる微気候がブドウを緩やかにシッカリと完熟させます。
熟度の高いブドウはそれがワインになった時、豊かな果実味をワインにもたらす
のです。


トレントは険しい山岳地帯に位置し、その標高は350メートル以上。最低標高は
フランチャコルタと変わりませんが、丘陵地帯ではなく、山岳地帯。湖からの恩恵
もありません。北にそびえるアルプスから吹き降ろす冷たい北風の影響も加わり
非常に冷涼な産地です。更に、山肌が白い様に石灰質の土壌です。
冷涼な産地で育つブドウも、石灰質の土壌で育つブドウも共に豊かな酸味を備え、
それがワインになると、爽やかな香味を持つワインになります。


*Ca'del Bosco Franciacorta/カデル・ボスコ、フランチャコルタ
相性の良い料理:素材の持つ優しい甘味を生かした軽やかな味わいの料理。
チーズなら・・・モッツァレッラ。
飲み頃温度:8~10度。
<軽く、まろやかな、やや辛口> 5,250円
・豆乳スープの鍋
・チキンソテー塩味
・ふろふき大根
などがお勧めの料理です。



*Flavio Trento/フラヴィオ、トレント
相性の良い料理:柑橘類の酸味や青みの薬味、ハーブが良く合う淡白な味わい
           の料理。
チーズなら・・・シェーヴル(山羊乳)タイプ。
飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな、やや辛口> 5,250円
・カキフライを塩レモンで
・ジャコの塩味スパゲッティ
・スパゲッティ・ボンゴレ・ビアンコ
などがお勧めの料理です。
「画像のワインはTalento Trento DOCになっています。Trento DOCは2010年
に制定されました。このワインの収穫年は2004年ですので、それ以前の呼称
が適用されています。」
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年度末でお祝いの機会がある事と思います。当店では様々なスパークリング
ワインがそんな機会を盛り上げ様とスタンバイしています。必要な際には是非
ご来店の上、お買い求め下さい。