2012年10月7日日曜日

魚には白ワインと言うけれどPart3


Part1では生しらすイカやタコヒラメやタイなどの白身魚地中海
沿岸エリアの木樽熟成をしていない辛口白ワインがマリアージュ
する。
Part2ではししゃも卵や生たらこ地中海沿岸エリアの木樽熟成して
いない辛口白ワインとマリアージュする。数の子、キャビア、イクラ
にはスペインの白の辛口スパークリングワイン、カヴァがマリアージュ
し、火を通した魚卵、そして魚卵ではないけれど甘くない卵焼きにも
フルーティーでないミディアムボディーの赤ワインマリアージュする。
この様な事を述べました。
魚には他にもひかりものと言われるサンマ、アジ、イワシ。血合いを
感じる赤身のマグロ、カツオもあります。これらにはどんなワインが
合うのでしょうか?
ワインと料理の相性の良さを決定づける要素には、お互いの風味の
主張が同じ力関係にある事、この様な事もあります。それは脂肪分
には渋味成分を。苦味あるコクには苦味伴う旨味を。爽やかな酸味
には酸味とミネラルの骨太さを。香辛料にはスパーシーさを。旨味
タップリのコクにはフルボディーのワインを。こんな感じでお互いの
持つ風味を同化させてあげる作業です。


脂の乗ったひかりもの、今が旬のサンマ、そろそろ旬が過ぎ
つつあるアジイワシ、これらは味わうと予想以上に脂肪分
がタップリでトロリとした食感すらあります。先程、述べた様に
この様な味わいの食材には白ワインよりも赤ワインのタンニン
(渋味成分)がより良く調和し、タンニンは丸い口当たりになり、
魚の脂肪分と相乗し、甘味旨味を口中に豊かに広げます。
そして、脂肪分とタンニンのパーフェクトなマリアージュは魚の
生臭みを決して引き立てません。但し、この組み合わせも
赤ワインがフルーティーであってはダメです。


マグロやカツオの赤身の魚ではどうでしょうか?動物肉でも
同じですが、肉がなぜ赤いのか?それは血合いを感じるから。
ワインと料理のマリーアジュの良さを創り出す要素に風味
のリンク、同化と言う大切な事があります。
ワインに血合いを感じるの?不思議ですね。白ワインには
決して感じませんが、ある種のロゼワインには感じますし、
同様にいくつかの品種から造られた赤ワインにも明確に
赤身肉の血合いをイメージさせる香りがあります。


例えばPinot Noir/ピノ・ノワSangiovese/サンジョヴェーゼ
Merlot/メルロTempranillo/テンプラニージョ。これらの品種から
出来た赤ワインには確実に赤身肉の血合いをイメージ出来る香りが
あり、私達がブラインドで品種当てをする時のチェック事項、正解へ
のヒントになります。
この赤身肉の血合いを感じるワインには、動物肉なら、牛肉、鴨肉、
レヴァーを使った料理が非常に良く合います。そして、魚ならマグロ
カツオを使った料理が。
マグロが大好きで、よくマグロ尽くしのにぎり寿司を食べますと言う方!!
あなたには上記の品種から造られたフルーティーでないミディアム
ボディーの赤ワインがピッタリ。寿司にワイン?そんな偏見を持たず、
是非、一緒に味わい楽しんで下さい。新しい味覚の世界が形成され
ますますワインと食の楽しみが広がります。


実は醤油と赤ワインの相性が非常に良いので、こんな風に漬け
にしてあげると、刺身と赤ワインのハーモニーも堪能出来ます。
何故、相性が良いのか。醤油の旨味成分のひとつは乳酸。そして
赤ワインは、もともとブドウ由来のリンゴ酸を持っているのですが、
熟成過程で乳酸菌の働きでリンゴ酸が乳酸に変化し、渋味成分
と共に旨味を形成しているのです。醤油の持つ旨味、乳酸と
赤ワインの旨味を形成している要素のひとつ、乳酸。お互いに
同じ成分がある。これが口中で風味をリンク、同化させる。
だから、赤ワインを飲む時には、醤油味で料理を赤ワインに
近づけてあげて下さい。赤ワインと料理のマリアージュのかけ橋
は醤油です。
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脂の乗ったひかりもの
血合い感じる赤身の魚
にはフルーティーでない赤ワイン、赤身肉の血合いのヒント
ある赤ワインがお勧めです。
そして食べ物を醤油で味付けすれば完璧です。