2012年7月22日日曜日

夏と言えば、パイン


近年、様々な栽培方法が確立しているので、食物の旬が一体いつ
なのかと考えてしまう。この季節、ドイツに行くと、香り高い、真っ赤な
苺が楽しめる。ここ、日本では苺と言えば、寒い季節の果物の代表。
なので、ドイツで初めて、夏に苺を食べた時に驚いた事をハッキリと
覚えている。
が、パインと言えば、誰もが夏のイメージ。そんなパインを料理に使う
事が珍しくなくなった。料理にパイン?と思う人も多いのは事実。自分
も最初はそう思っていた。
でも、何事も挑戦です。パインに火が入ると、その酸味と甘味が融合
し、また、トロピカルな香りと香ばしいカラメル様の香りが表現し難い
風味を醸し出す。それはひとつの完成された調味料とも言える程。


パインが料理に入る事で、パインなしの時の料理とは全く別次元で
ワインとのマリアージュが楽しめる。違う言い方をすれば、パインが
入った料理にはある特定のワインしかマリアージュしないと言える。
ワインを料理に合わせる時、お互いの香りに共通項があり、香りが
口の中で同化すると、ワインと料理のマリアージュは最高レヴェル
の素晴らしさを実感出来る。
パインの放つ香りにリンクする香りを持つワインは何だ?それは、
Gewurztraminer/ゲヴュルツトラミネルと言う品種から造られる。
その故郷はイタリア北部、ボルツァーノ自治県(アルト・アディジェ
州)のTermeno(Tramin)/テルメノ(トラミン)。
この品種から出来たワインの香りを一度でも嗅げば、その記憶が
感覚から消え去る事は決してない。ライチの香り、白や黄色のバラ
の香り、トロピカル・フルーツのコンポートの香り、それらがグラス
から溢れんばかりに立ち広がる。
そんなインパクトある香りを持つワインなので、楽しめる状況が限定
されるのが簡単にイメージ出来る。シッカリ冷して、食前酒。冷し目に
して食後酒や就寝前のくつろぎの友にと言った具合。
そんな状況が一変したのは、パインを料理に使う事が普及して来た
から。店のお客様に勧めるのが、パイン入り酢豚。酢豚のあん自体
華やかで甘い独特の風味があり、マリアージュするワインの選択肢
は狭い。そこにパインが加われば更に狭くなる。しかし、そのパイン
が逆にゲヴュルツトラミネルとのマリアージュをより確固たるものに
する訳。



更に、個人的に超お勧めなのが、これ。ダイスカットのパインが乗る
ピッツァ(店によって、呼び名は異なるが、近所の店ではハワイアン・
デライト)。
先日もこのマリアージュを堪能し、改めて、ゲヴュルツトラミネルの
白ワインとパインの相性の良さを再認識した所です。この夏は、夏を
感じるパインの入った料理と、その料理にピッタリとマリアージュする
キリリと冷えたゲヴュルツトラミネルの白ワインで食欲をかき立てて、
暑さを乗り切りましょう。
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Villa Maria 2011 East Coast Gewurztraminer
< New Zealand >
ヴィラ・マリア 2011 イースト・コースト、ゲヴュルツトラミネル
<ニュー・ジーランド>
飲み頃温度:8~10度。
<軽く、まろやかな、やや辛口>
1,785円