2012年1月29日日曜日

鴨のすき焼きにはこれ


先日、ニュースで加賀市の坂網鴨の記事を見た。上の画像の様に鴨が空に
飛び立つ所を網で捕える。なので、銃で仕留めた時と違い、身に血が回らなく
肉そのものの風味があり、味わいは品位があると言われている。
そんなニュースを見たので、今が旬の鴨肉を使ったすき焼きに合う赤ワイン
を紹介したいと思った。
関東エリアでは甘めに炊いた割下で肉を焼く。なので、ワインにもしなやかな
口当たりで渋味に甘味旨味があるタイプが良い。アメリカン・オークで熟成した
カリフォルニアのZinfandel/ジンファンデルやオーストラリアのShiraz/シラーズ
なども良いが、原料ブドウ由来の果実味と新樽熟成由来の華やかで甘い
ニュアンスある香りのあるスペインの赤ワインもお勧め。そんなスペイン赤の
中から、近年、その素晴らしい酒質で注目度急上昇中の産地、Ribera del
Duero/リベラ・デル・ドゥエロからの新着ワインを紹介します。
スペインは元々、貿易の影響からフランス産樫樽よりも、アメリカ大陸産樫樽
を使う習慣があり、ワイン自体に油分を感じるワインが多い。別の言い方を
すればワインに甘味旨味を明確に感じる。その代表格が北部の産地、Rioja/
リオハ。しかし、そのリオハでも近年はワインにより洗練度を加える為、使う
樽がアメリカ大陸産からフランス産にシフトして来ている。造り手によっては
全くアメリカ大陸産を使わない事もある。
しかしながら、気候温暖なスペインでは果実の完熟度が高く、ブドウも果実味
は豊かで、糖度が高くなり、それから出来るワインは太陽の恵み感じる香味
いっぱいのおおらかなワインになる。甘口ではないが、旨味に通じる甘味を
感じるワインなのだ。アメリカン・オークでなくても、元々のスタイルを感じさせる。
リベラ・デル・ドゥエロでは国を代表する黒ブドウ、Tempranillo/テンプラニージョ
を主体に、ほとんどの造り手がフレンチ・オークで発酵、熟成を行いワインを
造り上げている。インクを思わせる華やかな香り、新樽由来のヴァニラ様の
甘いニュアンスも備わり、原料ブドウからの動物赤身肉を思わせる野趣さも
感じ、口当たりは極めてしなやかで甘味旨味を伴う絹ごしの様な渋味(タンニン)
を楽しめる。これがこの産地の典型的なスタイル。
その感覚が甘味ある割り下、野趣な香味の鴨肉に合わせ楽しめる訳。もちろん
鴨でなくても牛でも良いのだが、品種由来の個性が牛よりも鴨に近く、折角なの
で、ここは鴨肉ですき焼きを作り、この赤ワインと合わせ楽しみましょう。


Pago de Los Capellanes 2010 Ribera del Duero
パゴ・デ・ロス・カペジャネス 2010 リベラ・デル・ドゥエロ<スペイン>
相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。
           チーズなら・・・パルミジャーノ。チェダー。
飲み頃温度:16~18度。
<まろやかなミディアムボディー>
3,150円