2011年9月6日火曜日

ナッツ・アレルギーの方へ


アレルギー体質になってしまってから、もう30年。年と共に
アレルギーを引き起こす要因に変化が起きている。と言う
よりも引き起こす要因は増え続けている。
数年前からは、木の実、豆、ごま、その物と、それらから
造られる食品を口にすると、全身がかゆくなり、血が出る
程までかき壊さないと我慢が出来ない体質になった。
だから、柿の種、枝豆、ごま油など一切口にしていない。
***********************************************
ワインの品質を高めたり、香味に豊かさ、ふくよかさを加える
為に発酵や熟成に木樽を使用する事は良く知られている。
その木樽には大きく分けると2種類があり、フランスの中部
や北東部にある森林から伐採され造られるフレンチオーク樽、
そしてアメリカ大陸にある森林から伐採され造られるアメリカン
オーク樽だ。
オーク樽と言っても、その種類により木に含まれている成分が
異なり、当然、ワインに移行する香味や成分にも違いが出る。
フレンチオークの場合、ワインにはヴァニラの香りが付き、
味わいにはカスタード様のヒントを感じる。一方、アメリカン
オークの場合、ワインにはコーヒー、チョコレート、ココアの香り
が付き、味わいに甘味を感じ、トロリとした芳醇な口当たりと
なる。
アメリカンオークの産地、アメリカ大陸のワインでも近年では
アメリカンオークを使用せず、フレンチオークを使用する造り手
が増えて来てはいるが、カリフォルニア州産ワイン、チリ産
ワイン、アルゼンチン産ワインはアメリカンオークを使用して
いる事が多い。大陸の外に目を向ければ、スペイン産や
オーストラリア産のワインもかなりの割合でアメリカンオークを
使用している。
**************************************************
何が言いたいのか。それは、アメリカンオークの成分にナッツ
アレルギーと同じ症状を引き起こす可能性が大であると言う事。
少なくとも私自身はアメリカンオーク使用のワインを飲むと必ず
アレルギー症状が出る。だから今は昼間にテイスティングする
だけで、夕食を取りながらアメリカンオーク使用のワインを飲む
事はない。
ナッツ・アレルギーでワイン愛好者の方、一度、チェックして
みて下さい。全ての人に同じ影響があるとは言えないでしょう
から。もし、アメリカンオーク使用のワインを飲んでアレルギー
症状が出たなら、アメリカンオーク使用のワインを飲む事を
控える方が賢明です。そして、ワインを購入する際には使用
した木樽の種類を確認する様にしましょう。その時、店の人
が多分アメリカンオークを使用していないでしょう程度の答え
なら、そのワインを買うべきではありません。
************************************************
もうひとつ大切な事。スペインの生ハム、ハモン・イベリコ。
これは森林に放牧された黒豚が野生の森のどんぐりを食べ、
育ち、その肉を加工し造られたハムです。このハムも大敵
です。どんぐりの成分がハムに移行しています。このハム
を食べるとナッツ・アレルギーの人は強烈なアレルギー症状
に襲われます。私は一昨年のスペインワイン産地訪問の
際にハモン・イベリコを食べ、ひどい目に会いました。まさか
生ハムで。スペインの生ハムを食べるなら、イベリコでなく、
ハモン・セラーノにしましょう。
自分の身体を守るにはどうやら出来あがった製品に何が
使われたかまで気にする必要がありそうです。