2011年2月18日金曜日

なかなか見つからない

Sherry/シェリーの産地の中心地、Sanlucar de Barrameda/
サンルカル・デ・バラメダのBodega/ボデガ(シェリーの造り手)。
当店にもSherry/シェリーの熱狂的なお客様がいる。もちろん
このブログを作成している私もだが。
そんなお客様の為に、現地で味わえる状態とほとんど変わらない
状態を保っているシェリーを仕入れ、店で販売したいと常に思って
いる。
シェリーは特殊な造りをし、通常のワインに比べ、酸化風味を持つ
ワインだ。しかし、明らかな酸化風味、それも状態の劣化による
酸化風味を持つシェリーがこの日本には多数流通している。輸入
に携わっている人達がそれに気付いているのかが問題なのだ。
恐らく輸入関係者のほとんどの人は現地でのテイスティング経験
がない。海外の生産者を訪ねた事もない人が大多数なのだから
当然の話。そんな人に日本に来ているシェリー、特にManzanilla/
マンサニージャ、Fino/フィノが劣化による酸化をしてしまっている
か、いないかを判断しろと言うのは、ボルトより速く走れと言うのと
同じくらい困難な事だろう。
先日の試飲会でテイスティングしたマンサニージャはひどかった。
完全に熱劣化、酸化していて香りは藁の様、味わいは乾いた様な
ドライなテイスト。とても売れない。実は、このマンサニージャの
造り手を昨年訪問していて、その際に同じマンサニージャも購入
し、日本に持ち帰り、ワイン会でテイスティングしている。その時は
幸水梨や白い花を思わせる清々とした香り、瑞々しいテイストに
酸味とミネラルの優美なハーモニーがあり、とにかくライトタッチな
酒質だった。そんなフレッシュなマンサニージャを日本の消費者の
皆様にも味わって頂きたい。心から強くそう思っている。
日本人でシェリーが好きでない人を生み出してしまっているのは、
日本に来ているシェリーのコンディションが悪いからだと思う。
酒精強化ワインだからと言ってドライコンテナでシェリーを輸入する
のは止めませんか。輸入元の皆様。シェリーの日本での明るい
未来の為に。