昨夜、館林の大衆割烹「昇風」にてワイン会を行った。
ここの料理はいつでも何でも最高の味わいを堪能させてくれる。
味の濃い料理とは無縁の世界で、淡い味わいながら、深い味わい
を楽しめる。お金を払ってまで行きたい店は少ないが、「昇風」は
わざわざ出かけ、お金を払ってまで是非とも食べたい料理を出して
くれる店。だから館林の会はこの店での開催で固定している。
館林の会は昨夜が今年初だったので、ちょっぴり奮発し、セラーで
英気を養っていた秘蔵ワインを出してみた。それが写真のワイン。
2000年のミレニアム記念に発売されたチリのプレミアムワイン。
Vina Tarapaca 1996 Milenium
ヴィーニャ・タラパカ1996ミレニアム
発売当時は硬くて味わいを堪能出来なかったが、ようやく和んで
来た様子。香りはシダ、タバコ、茸ソテー、ジビエのヒントがあり、
味わいはシルキーで甘味旨味をまとった優美なタンニンが口中を
シットリと満たす。優しさの中に力強さが内包され、甘味酸味苦味
渋味のハーモニーが管弦楽の調べに乗る様に上品に広がった。
若々しくもなく、枯れ過ぎてもいなく、いわゆる真に飲み頃だった。
ワインの飲み頃に出会うのは奇跡的な事と思う。外観からは想像
出来ても、飲み頃の判断は出来ない。いつも言うけれど、ボトルの
中の真実はコルクを抜いた人だけのもの。
コルクを抜いて味わい、まだ早かった。もっと早くに開けていれば。
などと言って、喜んだり、がっかりしたり。だからコルクを抜いて
ワインの香味を味わうのはスリルがあって楽しい。
2000年の大騒ぎからもう11年か。早いな。ミレニアム記念のワイン
グラス、シャンパーニュグラス、スティルワインやシャンパーニュ。
色々発売し、そこまでするかと需要をあおっていたよ、あの頃の
ワイン業界。今と比べ物にならないレヴェルで元気だった。