2011年1月13日木曜日

Milenium

昨夜、館林の大衆割烹「昇風」にてワイン会を行った。
ここの料理はいつでも何でも最高の味わいを堪能させてくれる。
味の濃い料理とは無縁の世界で、淡い味わいながら、深い味わい
を楽しめる。お金を払ってまで行きたい店は少ないが、「昇風」は
わざわざ出かけ、お金を払ってまで是非とも食べたい料理を出して
くれる店。だから館林の会はこの店での開催で固定している。
館林の会は昨夜が今年初だったので、ちょっぴり奮発し、セラーで
英気を養っていた秘蔵ワインを出してみた。それが写真のワイン。
2000年のミレニアム記念に発売されたチリのプレミアムワイン。
Vina Tarapaca 1996 Milenium
ヴィーニャ・タラパカ1996ミレニアム
発売当時は硬くて味わいを堪能出来なかったが、ようやく和んで
来た様子。香りはシダ、タバコ、茸ソテー、ジビエのヒントがあり、
味わいはシルキーで甘味旨味をまとった優美なタンニンが口中を
シットリと満たす。優しさの中に力強さが内包され、甘味酸味苦味
渋味のハーモニーが管弦楽の調べに乗る様に上品に広がった。
若々しくもなく、枯れ過ぎてもいなく、いわゆる真に飲み頃だった。
ワインの飲み頃に出会うのは奇跡的な事と思う。外観からは想像
出来ても、飲み頃の判断は出来ない。いつも言うけれど、ボトルの
中の真実はコルクを抜いた人だけのもの。
コルクを抜いて味わい、まだ早かった。もっと早くに開けていれば。
などと言って、喜んだり、がっかりしたり。だからコルクを抜いて
ワインの香味を味わうのはスリルがあって楽しい。
2000年の大騒ぎからもう11年か。早いな。ミレニアム記念のワイン
グラス、シャンパーニュグラス、スティルワインやシャンパーニュ。
色々発売し、そこまでするかと需要をあおっていたよ、あの頃の
ワイン業界。今と比べ物にならないレヴェルで元気だった。