2024年7月9日火曜日

合う合わないって?

ワインと料理、食べ物がマリアージュする、しない(合う、
合わない)とはどんな状態を指すのでしょうか。今日はそれ
を解説します。
ワインと料理のマリアージュを完成させる時、先ずはワイン
の性質を知っておく必要があります。ワインは含まれている
酸味の質で2つに大別できます。
ワインの原料であるブドウも含め、果実にはリンゴ酸が主な
成分として備わっています。口中でシュワッと爽快に広がる
あの酸味です。柑橘果実に顕著に存在します。
ブドウの果汁がワインへと変身する際、果汁中の糖分が酵母
の働きでアルコールに変化し、酸などのその他の成分は多少
の変化があるもののワインへとそのまま移行します。よって
通常、ワインに含まれている酸味はリンゴ酸です。
しかし、ワインの醸造過程でリンゴ酸が乳酸菌の働きにより
乳酸に変わる、専門用語でマロラクティック発酵と言います
が、この化学変化を経たワインはリンゴ酸ではなく、乳酸を
含有しています。
つまり、ワインはリンゴ酸のワインと乳酸のワインの2種類
があり、ワインにどちらの酸味があるのかを知る事で相棒と
なる料理を絞り込む事ができます。
リンゴ酸のワインは大部分の白ワインとロゼワイン、乳酸の
ワインはほぼ全ての赤ワインで、一般的にリンゴ酸のワイン
は柑橘果汁、ポン酢、ユズ塩などと好相性、乳酸のワインは
醤油、味噌、クリームなどと好相性です。酸味の質に加え、
ワインの色を考慮すると、マリアージュを完成させる相棒の
料理が更に絞り込まれます。
ワインを色で分けると白、ロゼ、赤の3種類になり、最近は
オレンジ(アンバー)もあり4種類とも言われますが、色の
違いは何でしょうか。簡単に言えば、ロゼや赤の色は渋味を
感じる成分で、タンニンと言いますが、ロゼにはタンニンが
少なくあり、赤にはたくさんあり、白にはない事になります。
タンニンは脂肪分、苦味、辛味と相性が良く、脂の乗った魚
や肉、濃い色の野菜、香辛料のある料理と良く調和します。
所で色と色は連動している事を実感していますか。白ワイン
にブルーベリーや苺、赤身肉、ピーマンや山椒、黒コショウ
や七味唐辛子のフレーヴァーを感じる事はありません。一方
ロゼワインや赤ワインにレモンやユズ、白身肉、白い根野菜、
白コショウや天然塩のフレーヴァーを感じる事もありません。
この事もワインと料理をマリアージュさせるカギになります。
魚料理に白ワイン、肉料理に赤ワインじゃないのです。魚か
肉かなのではなく、白ワインをイメージできる外観の色合い
の料理なら白ワイン、赤ワインをイメージできる色の外観を
した料理なら赤ワインを合わせるのです。
焼き鳥の塩味なら白ワイン、タレ味なら赤ワイン。鰻の蒲焼
なら赤ワイン、白焼なら白ワインと言った具合に。色と色は
連動していますから。似た者同士は上手く行く。どこの世界
でも同じです。
ワインと料理が調和した時、つまりマリアージュした時には
どの様な状況が起こるのでしょうか。最も認識し易い状況は
食べて飲んだ後に口中に甘味(和み、丸み、ホッとした感覚)
が広がる事です。
ワインのシャープ過ぎる酸が優しくなる。ワインの強過ぎる
渋味が柔和になる。△や□が〇になる。そんなイメージです。
ワインだけだと厳し過ぎた香味が何も突出する事なく和み、
そこに甘味が生まれる。それを感じたなら、ワインと料理が
合っている時です。



それでは実際にシュミレーションしてみましょう。あなたも
これで銘仲人です。用意した料理はガストの「ミニチーズIN
ハンバーグ&ミニ海老グラタン」です。ほうれん草ベーコン
も添えられていて、ハンバーグのソースはデミグラスです。
先ずは外観を見渡してみましょう。赤みを帯びた茶色、濃い
緑色、黄色を帯びた白色の3色が共存しています。
既に言及した事を参考に色と色の連動でワインを合わせるの
なら、赤ワイン、赤ワイン、白ワインとなります。赤、白の
2種類があった方が良さそうです。




1種類にしたいけれど...。可能かどうかやってみましょう。
白ワインだけで行けるでしょうか。チーズINハンバーグです
からハンバーグからチーズをとろけ出させて茶色を黄色へと
変化させます。ほうれん草はバターでソテーしてあります。
溶かしバターをほうれん草にしっかり絡めて濃い緑色を黄色
へと変化させます。グラタンは白色ですからそのままでOK。
これで全てが白ワイン向きの外観に。チーズもバターも乳酸
ですので、乳酸の白ワインでマリアージュは完成します。
赤ワインだけで行けるでしょうか。グラタンにデミグラスを
添えれば、白色から茶色へ。これで全て赤ワイン向きの外観
に。それぞれの脂肪分の存在量を考えると、重厚過ぎる赤で
ない方がベターです。
こんな感じで白の料理を赤の料理に、赤の料理を白の料理に
変え、飲みたいワインにマッチさせる事も時には可能です。
飲みたいワインの酸味を知り、ワインの色に料理を合わせる。
料理の色にワインを合わせる。これが基本となります。今後
の食卓で是非、役立てて下さい。
当店ではTPOに応じたベストのワインをチョイスし、お勧め
します。詳細なリクエストをお伝え下さい。



WINE HOUSE

開店時間:14時~19時
定休日:毎月7日、15日
支払方法:現金 or PayPay
入店時のルール:マスクの正しい着用、手の消毒

昨年の元旦の朝に発症した右顔面麻痺が未だに治癒しません。
1年半経ちました。時間の経過は早いものです。色々な治療
をしましたが、もう治らないそうです。この麻痺の為、右目
が閉じず異物が混入し易い状態です。飛沫の侵入で感染症を
患う可能性があります。
ご存じの方が多いとは思いますが、当店では対面にて商品に
関する様々な説明をします。その際、飛沫をブロックする為
どなたにもマスクの着用をし、飛沫拡散を防止して頂く事に
していますので、宜しくお願い致します。