ワインのある風景: Sakeが終わり、今度はワインです。

Sakeの販売が終わり、ブドウ畑に新しいヴィンテージの命が
宿るこの季節、出荷の時を待っていた新ヴィンテージの色々
なワインが小布施から来店します。今回、販売するのに十分
な量が届いたのは全部で5種類。白ワインが3種類、赤ワイン
が2種類です。
ご存じの様に先月中旬からの麻痺の為、不自由な右手ですが、
テイスティングし、歯を食いしばりテイスティング・ノート
にコメントを記入しました。これで販売準備は完了です。
ご来店のお客様に様々なアドヴァイス、十分な情報をお伝え
できます。小布施ワイナリーの商品をお買い求めの際に気に
なる事がありましたら、何でもお聞き下さい。
今回、入荷の5種類は20日（土）から販売致します。Sakeの
様に1時間もしない内に完売する事はありませんが、中には
少量入荷のワインがありますので販売開始当日にご来店する
事をお勧め致します。5種類のワインの詳細は次の通りです。

＊Chardonnay Non Boise 2022
　シャルドネ、ノン・ボワセ
　飲み頃温度：11～14度。
　＜豊かなミネラリーさある辛口＞
　ノン・ボワセとは、ない（non）、森や木（boise）を意味
　するフランス語で、ワインの表現で使う時は樽香（ナッツ、
　ビスケット、カフェ・オ・レ、焼き立てのパンをイメージ
　するフレーヴァー）を感じないと言った程の意味です。
　このスタイルで仕上がったシャルドネの白ワインは豊かな
　ミネラリーさ、クリーンなシャープさがあり、口中を完全
　にリセットするまでの切れがある事から、苦味旨味の心地
　良い生の魚介類（特に貝類）との相性に優れています。
　生カキに白ワイン。その時の白ワインはこのタイプです。
　また、砂肝、軟骨、白い根野菜の苦味旨味との相性も良く、
　それらを塩で調理した料理と共に素晴らしいマリアージュ
　奏でます。

＊Sauvignon Blan 2022
　ソーヴィニョン・ブラン
　飲み頃温度：7度。11～14度でもOK。
　＜軽快でリフレッシングな辛口＞
　日本で初めて世界基準に達したソーヴィニョン・ブランを
　造り上げたのは小布施ワイナリー。ご存じでしたか？赤に
　ばかり目を向けないで、白ワインにも同様の熱視線を。
　この2022ヴィンテージもその事実に違わず驚愕のワイン
　に仕上がっています。白のイメージ（桃や花梨のアロマ）
　と緑のイメージ（若葉、若草のフレーヴァー）が共存し、
　弾ける様な口当たりが実に快適な酒質です。
　一緒に楽しみたい料理も白と緑が共存していると良く、
　竹輪の磯辺揚げ、素魚や貝柱と三つ葉のかき揚げなどを
　塩で、青じそつくねの塩焼きと言った感じの料理と一緒
　にお楽しみ下さい。
　
＊Albarino 2022
　アルバリーニョ
　飲み頃温度：7度。
　＜爽快で清々しいシャープさある辛口＞
　この品種のワインの典型的特徴は白桃のアロマとミント
　やシトラスの様な爽快さ。無理に探し出さなくてもその
　特徴を明確にこのワインに感じます。
　アルバリーニョのワインはその産地（風光明媚な大自然
　のリアス式海岸エリア）に因み、海のワインと形容されて
　います。小布施は内陸ですが...。
　その為、海の幸との相性に優れていて特にフィッシュ＆
　チップスにレモン果汁を十分に振りかけて食すならこの
　ワインが最高の相棒となります。

＊Tout Grains des Cepages Europeens 2021
　トゥー・グラン・デ・セパージュ・ウーロペン
　飲み頃温度：19度。
　＜シルキーさと重厚さあるミディアム～フルボディー＞
　ヨーロッパのワイン伝統国にオリジンを持つワイン専用
　品種だけで造ったと言う名のワインです。ワイン醸造用
　品種と言えば何を思い浮かべますか？
　このワインは恐らくほとんどの方が思い浮かべない品種
　をメインに造られています。その品種とはPetit Verdot/
　プティ・ヴェルド。実はワインを飲む人なら誰もが知る
　ワイン産地、フランスのボルドーが故郷の品種です。
　晩生の為、収穫期の晩秋の不安定な気候に影響され易く、
　マイナー品種となってしまいましたが、天候に恵まれた
　時には凝縮したタンニンの強い、格別にスパイシーで、
　濃い色合いを帯びたワインとなります。
　晩秋の気候が安定した小布施には相応しいブドウと言え、
　実際、小布施ワイナリーの自社畑（高山村）で育まれた
　プティ・ヴェルドは、凝縮したタンニンの強い、格別に
　スパイシーで、濃い色合いのワインを誕生させます。
　このワインの香味のイメージは黒で、ニラ・レヴァーの
　レヴァーや藁焼きかつおのたたきのかつおにマッチする
　香味を持ったワインと言えるでしょう。

＊Voluptueux 2021
　ヴォリュプチュー
　飲み頃温度：15～18度。
　＜優美で和みのあるミディアムボディー＞
　ヴォリュプチュー、簡単に和訳するならエロい。そんな
　意味合いを持つ単語がワイン名のこのワイン、その名に
　違わず美しすぎる妖艶さに満ちています。
　フルーツのピュアさが優美に広がります。それはブルー
　ベリーの様です。香水の様なフローラルさがエレガント
　に立ち昇ります。それはスミレのリキュールの様です。
　果実味、渋味成分（タンニン）、アルコール、オーク樽
　からの成分が一糸乱れぬ融合を見せ、しなやかさ、和み
　を感じます。綿あめが口の中で溶け消え行く様な感覚を
　想像して下さい。このワインの美しさが判るでしょう。
　ピュアな果実味に合わせ生ハムと、シットリした味わい
　に合わせ里芋の煮転がしと、美しい果実味と品位ある樽
　からの成分の融合、味わい深さに合わせ出汁巻き卵焼き
　と、と言った感じでお楽しみ頂けるワインです。