Sakeだけでなく、今年はWineの売れ行きも半端なく早くなって
います。前回、入荷のDom.Soggaは既に全種類完売で、盆休暇
なのに売るワインがないと心配していた所、それを悟ったかの様
に新たに2種類のワインが到着しました。
フランスの南西地方以外のワインではなかなかお目にかかる事の
ないPetit Manseng/プティ・マンサンで造った白ワインと長野
と言えばこれ、Merlot/メルロで造った赤ワインです。
果皮の厚い実をつけるプティ・マンサンは湿度の高い日本の環境
でメリットのある品種ですが、だからと言って良質の実になると
言う保証がある訳でなく、他の品種同様、細心の気配りをしつつ
育みます。
このプティ・マンサンの最大の特徴は信じ難いまでに果汁糖度が
高まる事。物理的に可能なら、その果汁を完全に発酵させると、
ワインになった時のアルコール度数が15%以上となります。が、
発酵と言う過程はそんな単純な世界ではなく、糖分がアルコール
に転換し、そのアルコール度数がある高さに達すると酵母の働き
が停止し、その酵母は死滅してしまいます。
つまり、完全発酵させる事ができたなら、アルコール度数15%の
辛口ワインなのですが、発酵が途中で止まりますので度数はそれ
よりも低く、因ってアルコールに転換しなかった糖分が残留して
いる事になります。
プティ・マンサンの白ワインはこのタイプを多々目にし、この度
小布施から届いたプティ・マンサンの白ワインも例外ではなく、
甘味の残る、果実味が非常にリッチな酒質となっています。
浸りながら、オン・ザ・ロックで楽しむのも一手ですが、香りの
トロピカルさに合わせ、パインを使った料理、食べ物に合わせる
のが特にお勧めの楽しみ方です。
*Domaine Sogga 2020 Petit Manseng
飲み頃温度:8~10度。
<軽く、まろやかな、やや甘口>
「ピッツァ・ハワイアン」はドミノ・ピザでTo goしました。
の造り上げるワインの傾向と同じで、穏やかで、内包された深み
の静かなる主張がシットリ、優美に広がり、身体に染み入る様に
消えて行くと表現できるワインです。
赤ワインは濃くないとダメ、赤ワインはフルボディーでなければ
ダメ、そんな誤った風潮に風穴を開け、ナチュラルな赤ワインは
本来、どうあるべきかを知らしめてくれる逸品です。
渋くないから味わい深くない?いえいえそんな事はありません。
出汁の効いていない、ただ調味料だけで味を付けた味わいが濃い
だけの料理は味わい深くないですよね?それと一緒です。
そんな上品で優雅な香味の赤ワインですので、心穏やかに味わう
のがベストで、冷房の効いた部屋の明かりを落とし、BGMに耳を
傾けつつ、ロマンティックな映画を見つつ、ワインそのものの味
を堪能するのが最もお勧めの楽しみ方です。
しかしワインは料理を引き立て、料理はワインを一層味わい深く
する事を考えると、醤油の淡い味の存在が料理の味わいを整えて
いる、例えば肉じゃが、筑前煮、里芋の煮転がし等はこのワイン
のパートナーとして最適ですし、本来はコクのあるロゼワインの
相棒である豚肉の生姜焼きも穏やかな酒質の赤ワインとなら完璧
と言えるマリアージュを奏でてくれます。
*Sogga Pere et Fils 2020 Merlot
飲み頃温度:15~18度。
<エレガントなミディアムボディー>