Chardonnay/シャルドネ、Riesling/リースリング、Sauvignon
Blanc/ソーヴィニョン・ブラン、白ワインの為の有名なブドウと
言えば多くの方がそれらを思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、白ワインの為のブドウはまだまだ他にもあります。その
中から今日はViognier/ヴィオニエと言うブドウにスポットライト
を当てたいと思います。
ヴィオニエはフランス南部、地中海に注ぐローヌ河流域が原産地
とされ、主にその地で育まれ、他所ではあまりお目に掛かれない
品種です。
ヴィオニエの白ワインはとても個性的で、多くの場合、カリンを
思わせる華やかな香りがあり、アルコールのボリューム感がある
事でこのワインはヴィオニエで造ったのではと推測できます。
ヴィオニエは木樽を使い、造られる事が多いのですが、樽で発酵
熟成した時はクリームの様なトロリとした口当たりがあり、乳系
の要素がある料理(鶏のクリーム煮、白子の天ぷらを塩で、白湯
スープの鍋料理など)と好相性です。
また、木樽から身に着けた要素が少ない場合、酸味とミネラリー
さがよりシャープで、爽やかさのある香味を持ったワインとなり
柚子などの柑橘果実やポン酢の清々しい風味のアクセントがある
料理と好相性となります。
今日紹介しますヴィオニエのワインは後者のタイプで、香りには
熟した果実の華やかさ、コンポートにした果実を思わせるリッチ
さがありますが、熟成期間中にブドウ由来のリンゴ酸を乳酸菌の
働きで乳酸に変換させるマロラクティック発酵をほとんど行って
いませんので、リンゴ酸の主張が全体の味わいを引き締め、爽快
さが引き立っています。
柚子塩で食べる白身魚の天ぷら、レモン果汁を多めにかけた鶏の
唐揚げやコトレッタ(シュニッツェル)、ポン酢仕立ての魚介類
のカルパッチョなどが今日紹介のヴィオニエの白ワインの相棒と
なります。
流通量の少なさ、価格の高さ(大抵の場合、5,000~10,000円)
などの影響もあり、なかなか味わうチャンスのないヴィオニエの
白ワインですが、この機会に典型的なヴィオニエの特徴を備え、
驚くべき高い品質も兼ね備えた今日紹介のワインを是非、お勧め
の料理と共に楽しんで下さい。
シャルドネにも、リースリングにも、ソーヴィニョン・ブランの
ワインにもない豊かな個性とそれが奏でる至福のマリアージュを
堪能できます。
ディンドリ・リザーヴ2020ヴィオニエ(インド)
飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな辛口>
2,000円