色のグリブドウ、紫色の黒ブドウがあり、それらのブドウをどの様
に使うかで白ワイン、ロゼワイン、赤ワインを造り分けています。
ワインの色は原料ブドウの果皮の色素が移行したものです。果皮が
緑色や黄色のブドウには果皮にロゼ色や赤色がありませんので、白
ワインしか造れません。
グリブドウではグレーぽさ、ベージュぽさ、オレンジぽさを帯びた
外観のワインが造れますが、ロゼワインと言うまでの外観でなく、
白ワインと言うべきで、もちろん赤ワインは造れません。
では黒ブドウではどうでしょうか?皮を剥くと果肉は白ぽく、果汁
もそうです。巨峰を思い浮かべて頂ければお判りでしょう。ワイン
の色は果皮の色が移行したものですから、白っぽい果汁に果皮の色
を移さなければ黒ブドウでも白ワインを造れ、果皮の色を少しだけ
移行させロゼワイン、シッカリ移行させ赤ワインを造れます。
今日紹介します白ワインはワイン好きでしたら知らない人がいない
黒ブドウ、Cabernet Sauvignon/カベルネ・ソーヴィニョンを使い
造ってあります。
ここでカベルネ・ソーヴィニョンについて簡単に。この黒ブドウは
18世紀に黒ブドウのCabernet Franc/カベルネ・フランと白ブドウ
のSauvignon Blanc/ソーヴィニョン・ブランが自然交配し誕生した
とされています。
カベルネ・フランで赤ワインを造るとスミレやブルーベリーなど紫
の花や果実を連想させる華やかな香りがあります。ソーヴィニョン
・ブランで白ワインを造ると若草や若葉など緑の植物を連想させる
爽やかな香りがあります。
その子ですからカベルネ・ソーヴィニョンの赤ワインにはどちらの
香りも感じ、何も知らずに目を閉じて香りだけチェックするのなら
カベルネ・ソーヴィニョンの赤ワインをソーヴィニョン・ブランの
白ワインと感じてしまう事も起こりがちです。
ハーブ、シダ、杉、ピーマンなどの植物の香りを赤ワインに(他の
黒ブドウで造った赤ワインには滅多にない事なのですが...)感じる
のはカベルネ・ソーヴィニョンが親であるソーヴィニョン・ブラン
の性質をシッカリと引き継いだからに他なりません。
黒ブドウのカベルネ・ソーヴィニョンで造った白ワインがこちら。
ラベルをご覧頂くとBlanc de Cabernet/ブラン・ド・カベルネ
と記載されています。カベルネで造った白と言う意味です。この
白ワインをテイスティングしてみますとソーヴィニョン・ブラン
の白ワインに非常に似ている事が判ります。
黒ブドウで造った白ワイン(Blanc de Noirs/ブラン・ド・ノワ)
は珍しくないのですが、カベルネ・ソーヴィニョンの白ワインは
非常に珍しく、テイスティングの経験がほとんどありません。
ですのでこの白ワインがカベルネ・ソーヴィニョンの白ワインの
典型か否かは不明ですが、この白ワインをチェックした限りでは
ソーヴィニョン・ブランの特徴を感じるのが通常なのではと推測
できます。
カベルネ・ソーヴィニョンで造った白ワインだから珍しい。それ
だけで終わらないハイ・レヴェルの品質を備えた白ワインとして
味わうべきもので、決して珍しさでお勧めするのではありません。
*Radacini 16 Blanc de Cabernet
ラダチニ16ブラン・ド・カベルネ
相性の良い料理:柑橘類の酸味や青みの薬味、ハーブが良く合う
淡白な味わいの料理。チーズなら、シェーヴル(山羊乳)タイプ。
飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな辛口>1,200円