2015年9月1日火曜日

真実はその地に

中華人民共和国、この国に対し今まで抱いていた思いは一体、何だった
のか。今回、この国の首都、北京を初めて訪れ、数日間滞在し、色々な
もの、事に接し、実体験を通して感じたのはその事でした。
媒体を通じ、私達が知り、思い描いている中国は、非人道的、非衛生的
その様な表現で語れるのではないでしょうか?海外へ行く時、その地の
食文化に触れる事はひとつの楽しみですので、日本からは食料を何も
持参しません。
しかし、今回だけは困らない様にいつも飲んでいるミネラルウォーター
(Contrex)に加え、空腹を満たせ、アルコール飲料の友にもなるスナック
を持参しました。コントレックスなんか売っている筈がいない。惣菜やパン
は衛生的でないから買わない方が良い。そう思ったからです。
無知とは恐ろしいものです。そして知らないのに知っているかの如く振る
舞ってしまうのは愚かな事です。今回、北京に初上陸し、様々な思いを
改める機会がありました。
ロシアに初めて行った時のギャップを遥かに超えた世界がそこにはあり
ました。決して、そこが北京であったからだけではないと思います。
つばを道に吐く日本人もいます。秩序を乱す日本人もいます。衛生面に
気を使わない日本人もいます。権力で弱者を制圧する日本人もいます。
中国人だけがそうではないのです。どこの国にも民度の低い人がいて、
そうでない人と共存しています。
知りもしないのに、悪いイメージを持ってしまっている事に起因し、負の
連鎖が起き、中国人をひとくくりにしてしまう固定概念を持ってしまって
はダメだ。そう思い直す事になった今回の滞在でした。
北京だからと言われればそれまでですが、街は衛生的でした。つばを
吐き捨てる人はほとんどいませんでした。コントレックスも普通に売って
いました。駅、店、道路では秩序が十分保たれ、かつ公共施設や交通
のセキュリティーの高さは逆に日本の無秩序さが際立つ程でした。
料理の美味さは筆舌に尽くし難く、しかも懐にとても優しい。7-11で
買える惣菜のレヴェルの高さが半端なく、何度もお世話になりました。



世界3大料理と言うのでしょうか。フランス料理、イタリア料理、
中華料理。今なら日本料理も加え、4大料理になるでしょう。
さすが中華料理を生んだ中国と言わざるを得ません。ホテル
の朝食ビュフェの料理も何度も取り直し食べてしまう程です。
生きる為に食べる人間ではなく、食べる為に生きている人間
には天国の様な国なのかも知れないなと思ったりもします。



ただ、ひとつだけ不満があります。ワインを造っているアジアの
国を今回の中国も含め、数か国訪れていますが、日本を除き、
どこも共通しているのはワインが庶民の飲み物ではないと言う
事実です。だから、街中でその国のワインを買って飲む事が
とても困難なのです。
売っている場所を探すのに時間がとてもかかる。やっと見つけ
買おうと思っても、既に他の店で購入済みの同じ商品しかない。
または、買おうと思っていたのと異なり、心を動かされる商品で
ない。そんな時に行きつくのはその国のビールです。
今回も啤酒(ビール)には大変お世話になりました。デパートや
7-11で売っていた中国産ビールは全て飲んだと思います。上
の画像のビールは600ml入りで驚きの価格、たったの3,3元。
日本円なら60円ほど。ビール党にも天国の国です。


あまりの美味さに2度も食べてしまったのが一番上の画像と直ぐ
上の画像の炒面(焼きそば)。鶏肉と目玉焼きが付いて15,8元
ですから約300円。これを食べながら中国ビールをガンガン飲む
のは最高でした。
中国の食を堪能したい方。ビール党の方。鄙びて落ち着いた街
の雰囲気に浸りたい方。無知を恥じ、偏見を捨て去り、純白の心
で見聞できる方。そんな方に是非、北京を訪れ、自分の五感で
真実に触れてほしいと思います。


人伝えに聞いた事、媒体を通して知った事、それらは伝わる
までに屈折してしまった可能性があります。真実は自分で。
今回、北京での経験は良い思い出としてしか残っていません。
もう一度、行ってより理解したいなと思う位です。
ワインの世界では、「真実はボトルの中に」、「コルクを抜き、
味わった人のみが知る真実」と言われます。正しい理解は
実体験から。
これからは、中華人民共和国、中国人に対し、マイルドに付き
合えると感じています。