2014年6月2日月曜日

国際シェリー週間

Sherry/シェリーと言うワインをご存知ですか?スペインの国民酒とも言え、
Bar/バルには欠かせない飲み物です。Palomino/パロミノ、Pedro Ximenez/
ペドロ・ヒメネス、Moscatel/モスカテルの3つのブドウが指定品種で、南部の
Andalucia/アンダルシアにあるJerez/へレスの街の周辺が原産地です。
それら3つの品種から白ワインを造るのですが、その過程で白ワインを蒸留
したグレープ・スピリッツを添加し、発酵を止め、固有の熟成方法で3年以上
育み、ようやくシェリーとなります。


非常に複雑な製造工程から誕生するシェリーですので、それら全てを詳細に
理解していると飲むのがイヤになる程、疲れてしまいますので大まかに説明
します。
上の画像がシェリーの製造過程の図解です。シェリーは白ワインで、原料と
なる3つの品種は全て白ブドウです。それらから白ワインを造ります。その
白ワインにグレープ・スピリッツを添加した後、3段から5段程に積み上げた
木樽内で最低3年熟成します。
出来上がった白ワインは一番上の樽に入れられ、一定の期間ごとに下の段
へと移し替えられ、一番下の段(Solera/ソレラ、床/Sueloから派生した語)
に入ったワインが予定の熟成をしたならば、そこからワインを抜き、ようやく
瓶詰されます。この過程はソレラ・システムと言い、シェリーの個性を明確化
する大切な過程です。
グレープ・スピリッツを添加するタイミングの違いで辛口と甘口を造り分け、
添加する量で異なるタイプのシェリーを造り分けます。グレープ・スピリッツ
を添加した酒精強化ワインですが、限りなく普通の白ワインに近いタイプの
Fino/フィノやManzanilla/マンサニージャ、それらが酸化熟成し、茶褐色に
なったAmontillado/アモンティジャード、より芳醇に酸化熟成したOloroso/
オロロソなどが辛口で、コハク色をしたモスカテルや黒みつの様な外観の
ペドロ・ヒメネスは甘口です。
この様に様々なタイプがあるシェリーはその多様性から、様々なシーンで
大活躍します。寿司にマリアージュするシェリー、たこ焼きやお好み焼きに
マリアージュするシェリー、うなぎの蒲焼にマリアージュするシェリー、果実
のタルトにマリアージュするシェリー、ヴァニラアイスクリームにマリアージュ
するシェリー、こんなにも多様です。
本日、6月2日からInternational Sherry Week/国際シェリー週間が始まり
ました。この機会に是非、シェリーを味わい、その多様性を実感して下さい。
当店では様々なシェリーを販売しています。