南アメリカ大陸、ここはスペインからの宣教師によってブドウ栽培、ワイン造りが
もたらされた地。それは16世紀半ばの事。ペルーのクスコが発祥、そしてチリへ
その後、アルゼンチンへと広まりました。現在のアメリカ合衆国でワイン造りが
始まる約200年も前の事でした。
南アメリカ大陸のワイン生産国と言えば、真っ先に思い浮かぶのがチリ、次に
アルゼンチンですが、アルゼンチンの方が生産量が圧倒的に多いのをご存知
でしたか?
では第3位の生産国はどこでしょうか。それはブラジルです。サッカー、サンバ
だけではないのです。ブラジルはアマゾン川が雄大に流れる大密林地帯がある
熱帯地域のイメージが強く、アフリカ大陸における南アフリカ同様、銘醸ワインが
誕生する地と思われていない節があります。しかし、ブラジルはその広大な国土
ゆえ、ワインの為のブドウ栽培に適した地も天から与えられたのです。
ブラジルにワイン造りの為のブドウ栽培をもたらしたのは19世紀初めに南部の
リオ・グランデ付近に移住したイタリア人です。アルゼンチンやチリも始まりは
ヨーロッパの手法でしたが、それは16世紀の事で、近代的な栽培、醸造技術が
確立した19世紀の手法とは大きく異なっていました。ワインの本場、ヨーロッパ
の近代的手法を踏襲したブラジル・ワインは結果として南米で最もヨーロッパ・
テイストを感じる様になったのです。
ブラジルの主要ワイン産地はウルグアイとの国境付近、リオ・グランデ・ド・スル州
にあります。それが上の画像で、中でも国境に接するピンク色で彩られたエリアの
Campanha/カンパーニャが最も重要な産地です。土壌は粘土質が主体の場所
と砂質が主体の場所があり、ワイン醸造用の高貴品種の栽培に適しています。
もう一つの主要なワイン産地は北部の黄色で彩られたエリアでサン・フランシスコ川
流域の渓谷です。この地は気温がかなり高いのですが、高度な栽培技術を駆使し、
Moscatel(Muscat)/モスカテル(マスカット)を栽培、イタリアで最も有名なスプマンテ
(発泡性ワイン/スパークリング・ワイン)のAsti/アスティに匹敵する軽く、フレッシュ
でチャーミングな甘味を備えたスパークリング・ワインを誕生させています。
当店のブラジル・ワイン販売歴はおよそ10年。販売の中心となるワインはイタリア人
が起こしたワイナリー、Miolo/ミオロの商品です。このワイナリーのワインを初めて
飲んだ時のインパクトは凄まじいものでした。Merlot/メルロのワインなら、フランス
のSaint Emilion/サンテミリオンやPomerol/ポムロルの15,000円程のワインに。
Cabernet Sauvignon/カベルネ・ソーヴィニョンのワインなら、フランスのMedoc
/メドックの7~8,000円ほどのワインに。 Chardonnay/シャルドネのワインなら、
フランスのBourgogne/ブルゴーニュの6,000円ほどのワインに劣らない品質だった
のですから。因みにミオロのそれらのワインは当時、2,000円で販売していましたので
そのコスト・パフォーマンスの高さをお判り頂けると思います。
そして、5月から当店の販売商品にCasa Valduga/カサ・ヴァルドゥガが造る逸品
が加わる事になりました。このワイナリーの商品はミオロと双璧とも言える品質で、
同じ品種で造られたワインを比較し、語るのなら、カサ・ヴァルドゥガのワインの方が
より力強く、リッチに仕上がっていると言えます。
ミオロとカサ・ヴァルドゥガ、ブラジルを代表するワイナリーが世界のワイン市場に
送り出す当店、大プッシュのワイン達を是非、味わい尽くして下さい。