第9回大会が終わりました。新チャンピオンは山梨県
の長谷部賢さんでした。彼とはこの大会を通して旧知
の中でした。二人にはあるジンクスがあり、どちらかが
3位以内に入ると、もう一人はダメと言う。
今回もそのジンクスは健在でした。彼は優勝、私は
完敗でした。しかし、自分の負けっぷりが良かったせい
だけではないでしょう。今は、清らかな水の如く、気分
は澄み切り、清々としています。
勝者に対し、敗者が自分の事の様に嬉しく感じます。
と言うセリフをたまに聞きますが、そんなのある訳ない
だろと思っていました。しかし、本当にそんな事が実在
するのです。
99年の札幌大会で初めて競い合って以来の関係です
が、優勝の栄冠獲得を先に越された事よりも、一緒に
切磋琢磨し、この栄冠の為に邁進し、結果を出した彼
とここまでやってこれた事への充実感と彼への祝福の
気持ちの方が大きな比重を占めています。他の誰でも
なく、今回、彼が優勝してくれたのですから。
彼も私と同じようにお互いの表彰式の光景を何度も
悔しい思いで目に焼き付け、それを糧に次への勝負
を挑んで来たに違いありません。
もし仮に3年後の第10回大会に挑戦する時、そこに
ライヴァルの長谷部賢はもういません。しかし、挑戦
し、今度こそ優勝すると言うゴールを設定するのなら、
最高の大義名分があるのです。
「長谷部賢からチャンピオン・ジャケットを着せて
もらえると言う。」
1995年の第1回大会から挑戦し続けているのですから
2016年の第10回大会では私が何歳になるのか、想像
が出来るはずです。その年齢で万全の準備が出来る
のか?それは、今、判るはずもありません。いずれ
時が自分に語り掛けてくれるでしょう。
この長きに渡り、気持ちをそらさず、死ぬ気で挑める
大会を主催し続けてくれた日本ソムリエ協会にも感謝
しなくてはいけません。コンクールには賛否があります
が、コンクールがある為に、人生が充実する人もいる
それは紛れもない事実です。
泣きたい気持ちも起こらないまでに完敗した今、ペン
と教本を置く時なのか。それとも...。もし、3年後に挑戦
していたなら、まだやってるよおっさんがと笑ってやって
下さい。
限界に挑んだ後に静けさ。