2011年10月7日金曜日
比較対象があった方が
記憶は薄れるもの。長く留めるには反復し、薄れたら取り戻す作業の
繰り返ししかない。が、あるレヴェルのスキルまで向上し、自分なりの
感覚、捉え方を身につけると記憶が鮮明によみがえったり、初体験
でも分析的に物事を捉えたり出来る様になるのではないか。
ワインは1種類をテイスティングし、そのワインの位置付けを捉えられる
様になるには相当なトレーニングと長い時間が必要。この業界入って
20年以上、今でもワイン・テイスティング能力の向上はするべき事の
最上位事項。
ワインを感覚的に捉えられる様になる近道はないのか。根本的には
ないと思う。しかし、スキル向上を早める方法はあるはず。良きコーチ
に指導を受ける。これが一番に違いない。では、周りにその様な人間
がいなかったり、物理的に指導を受けられない立場だったらどうする?
店のお客様やワインへの理解をより感覚的に深めたい人にいつも
するアドヴァイス。それは常に2種類のワインを同時にテイスティング
し、香味の違いを感覚的に捉える事を繰り返す。決して1種類ずつ
テイスティングしないで、必ず比較対象を置く。
比較対象に設定するワインにはテーマが必要。同じ造り手、同じ年
で品種違い。同じ造り手、同じ産地のワインで収穫年違い、など。
画像は先日のテイスティング会で比較した白と赤。全てイタリア産で
テーマは同じ造り手、同じ収穫年で品種違い。参加者には前提条件
なしに、どちらがメジャー品種から造られたワインでその品種は何か
と言う設問のもと、テイスティングした。これが簡単な様でそうでない。
もちろん認定試験合格者ならこの方法では簡単過ぎるかもしれない。
が、一般消費者の方には決してそんな事はない。
ゲーム感覚で比較しつつ、感覚的にワインを捉え、品種やワインに
対する自分のバロメータを創って行く。これがワインをより楽しめる
事になって行くと思う。
そして、ある程度のレヴェルにまで達した時に、初めて比較対象を
置かず、1種類を単独でテイスティングし、自分の感覚を再確認する。
おそらく、ここまで来れば認定試験受験レヴェルだろう。
受験するしないに関わらず、ワインを楽しめるのは日常生活に潤い
と華やぎがあり良いものだ。ワインを感覚的に捉え、自分の食生活
のスパイスにしたい方、一緒にテイスティングしませんか?原則、
毎月第2木曜日の19:30から太田市浜町の飲食店でワイン会を
実施しています。興味のある方は是非、お問い合わせ下さい。
一緒にワインを楽しみましょう!